霧とリボン２周年企画展《菫色の実験室vol.2～菫色×調香》に出品、参加致しました。

◆いち早いお知らせはtwitterから！2017.5.5〜5.14
霧とリボン 直営SHOP “Private Cabinet”2周年記念企画展
《菫色の実験室 vol.2〜菫色×調香》に、絵画作品四点を
出品いたしました。前回の《菫色×不良少年》に続き、
光栄なことに二回目の参加となります。
参加作家様＝”研究員”達は、出品にあたり
それぞれの「架空の香水名」と、その解説文を提出。
個々の「架空の香水」のイメージを軸に創作された
絵画やオブジェ、服飾やアクセサリーなどの作品が、
霧とリボン様の菫色の小部屋の《実験室》のなかで、
馨しき化学変化を遂げておりました。
私の提出した「架空の香水名」および解説文は、
以下の通り。
*
香水名： "Le Cou Mauve"（ル・クゥ・モーヴ）：モーヴ色の頸。
色素ではない、「光の干渉」によりあらわれる
鳩の頸の羽根色の菫色（モーヴ）香水。
プリズムを通して分かたれた虹色のうち、
菫色の干渉のみを受ける者になぞらえて、
この香水を知覚し得る人々を”モーヴの受け取り手”と呼び
メゾン[可視光線] -Maison de la Lumiere Visibleは
長らく僅かな愛好家のためだけにこの香水を作り続けていた。
近年になり、開示された幻の香水の処方箋の一部は以下の通り。
どうやら、この香水を愛好する”受け取り手”の一人の注文により
即日サンプルを届けさせるための伝書鳩用香水通信管も作られていたらしい。

[note]
top : 菫の閉鎖花　 菫の種のエライオソーム　 レモンの枝
middle : フィグミルク 白菫の葉
last : オークモス レザー 古い書物のリグニン香
[作品1： Maison de la Lumiere Visible メゾン可視光線 --- [調香オルガン
　技法・材料 ： 耐水性インク 不透明水彩 墨汁 /
ケント紙 部分にデッドストックわら半紙を貼付]
----------
以上が、私の想像した「鳩の頸の、羽根色の菫色（モーヴ）」の
香りを構成する材料。この奇妙な香水の原材料のいくつかは、
香りの成分になり得る筈もない、まったくの出鱈目な、
空想上のもの。（ちょっと意地悪ですね！）
菫の閉鎖花にはそもそも香りはなさそうですし、（たぶん）
菫の種に付いているエライオソームという器官、これには
人間の嗅覚では感知できない独特の香りを出す仕組みが
あるそうですが、なんでも菫の種はこの独特のにおいで
アリを魅了し、せっせと種を彼等の地中の巣のなかに運び込ませ、
時が来たら首尾よく巣から芽を出すのだそうですよ！

[作品2 ： "Le Cou Mauve"（モーヴの頸）---鳩の頸の菫色香水
[伝書鳩のための香水通信管セット]
技法・材料 ： 墨汁 不透明水彩 / デッドストックわら半紙 ケント紙]

上に見える扇状のものは、
"Le Cou Mauve"（モーヴの頸）を調香するために用いる
試香紙（ムエット）。


[作品3："Le Cou Mauve"（モーヴの頸）--- 鳩の頸の菫色香水 [試香紙]
技法・材料 ： 墨汁 不透明水彩 / デッドストックわら半紙 ケント紙]

[作品4: "Le Cou Mauve"（モーヴの頸）--- 鳩の頸の菫色香水
（ソリッドパフューム）
技法・材料 ： 墨汁 不透明水彩 / デッドストックわら半紙
（ミューズコットン紙に貼付） ラインストーン

私の考えた奇妙な香水の物語を付した作品たちですが、
幸せなことに、素晴らしい方々の元へと旅だつことが叶いました。
会期中作品をご覧くださいました皆様方、
作品をお気に召してくださり、ご購入くださった親愛なるお客様、
そして、このたびも特別な二周年の記念の企画展へと
お声掛けをくださり、この上ないお計らいをくださいました
主宰のミストレス・ノール様へ、
心よりの尽きせぬ感謝と御礼を、この場を借りて申し上げます。
本当に、ありがとうございました・・・！


鳩山郁子
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