----昔日の戦場の空を翔けた、 彼等は伝令の天使。 今、疾走する鋼鉄の寝台の上で蘇る----。 ☆ ヴァイオレット・スプリング・シティへと向かう寝台列車。 両親と世界博覧会へと向かう旅行中、少年ダヴィーは 列車の車両の数を数えようと端から端まで探検するうちに ついに最後尾の車両らしきドアの前に立つ。 扉を開けると、その先は幾重にも襞の重なり合うカーテンで区切られた 寝台だけが並ぶ、無人の車両のようだった。が、 突然物音がして恐る恐るひとつの寝台のカーテンを開けてみると、 そこには息も絶え絶えの、見慣れぬ制服を着て満身創痍の少年が 横たわっている。そうして次々にカーテンで区切られた寝台の奥から 物音が聞こえ、忽ち車両は奇妙な制服姿の傷ついた少年達でいっぱいに なり、何が起きたのかわからず混乱して狼狽えるダヴィーに向かって 彼等は口々に自分たちの足に付けられた”信書管”を外し 「マスター」に届けるよう、迫るのだった。 ----------- ☆ 「寝台鳩舎--The Dovecote Express」 2016年11月発行 装丁 芥陽子(note) 編集 的場容子 村上清 発行所 株式会社太田出版 初出 #1,#2,#3(p93)まで・・・WEB連載空間「ぽこぽこ」 2015年9月~2016年2月掲載 P94~161,「Epilogue」、「Mattiesko」 ・・・描き下ろし 帯文:古屋兎丸 立体作品"「無題」(鳩小屋:アメリカーナ) Untitled(Dovecote:Americana)ほか該当の作品模写の 著作権使用について、コーネルの著作権管理団体である THE JOSEPH AND ROBERT CORNEL MEMORIAL FOUNDATIONより許諾を受けております。 プライベートブログ「鳩の備忘録」中の記事も ご参照ください。 ☆ ☆
by 2spangle
| 2012-08-22 17:00
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