2022年12月19日に発売された青柳碧人さんの小説 『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』(KADOKAWA)のカバーイラストを手掛けました。 大正期の文豪・学者が謎に挑む8篇のミステリ短編集の中から描いたのは 芥川龍之介、与謝野晶子、宮沢賢治、野口英世、そして忠犬ハチ公。 ![]() また、今回はカバーイラストのほかに 収録作の中から与謝野晶子が主人公の「夫婦たちの新世界」の 宣伝漫画(4ページ)も手掛けております。 大正7年秋、ルナパーク。電飾眩しい大阪の宙空で、 晶子が遭遇した事故の謎とは・・・? KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」に掲載中、 こちらも是非併せてお楽しみください。 ☆ 余談ですが、『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』第一話 「カリーの香る探偵譚」には、以前下落合を散歩していたときに 偶々アトリエ跡の記念館を訪れて知った画家の中村つねも登場し (”つね”の難解な漢字をコピー&ペーストすると不具合が生じてしまうため ひらがな表記にてひとまず・・・)思わず興奮!写真が見つからないので 以前7月7日の「カルピスの日」に因んで呟いた自分の画像付きの しtweetを貼っておきますね。つねは、当時発売されたばかりの「カルピス」を 新宿中村屋の相馬愛蔵から贈られ愛飲していたとの事。 水色に白い水玉模様の包装紙のある静物画を 描き残しています。 新宿区立 中村彝(つね)アトリエ記念館 (※入館無料) 晩年近くに描かれた「髑髏を持てる自画像」や エスペランティストで詩人の盲目のロシア人 エロシェンコを描いた 肖像画など、一度目にしたら記憶に焼き付いて 忘れられなくなるほどの静かな気迫漲る夭折の画家の筆致を 複製の画面からも感じ取ることが出来るでしょう。 ☆ #
by 2spangle
| 2022-12-16 14:41
| イラストお仕事
![]() ☆ 2022.8/13(土)~8/15 (月)のお盆の時期に 蔵前のWOW FACTORY展示室にて開催された 数年ぶりの会場イベント[盆・マルシェ]、 初日には台風が関東を通過し、その後もたいへんな猛暑の真夏日が続きましたが 会期中にはたくさんのお客様に会場へ足をお運びいただきました事 心からの御礼を申し上げます。 本当にありがとうございました・・・! 初めてお会いする方も、久しぶりにお会いする方ともじかにお会いして お話することの出来た得難い機会に、只々感激いたしております。 今回、盆マルシェの運営や会場設営からオリジナルグッズ、 コラボレーションの作品制作まで一挙に手掛けて下さいましたのは 以前よりビジュアドールの特典エクス・リブリスカードへのイラストご提供などで お世話になっておりますWOW FACTORY(ワオ・ファクトリー)様。 初日に開催されたちいさなお茶会では、事務所からほど近い場所にお店を構える 自家焙煎珈琲とチョコレートの専門店「蕪木(かぶき)」によるオリジナル・ブレンドと 珈琲に合う絶品の焼き菓子を参加者の皆様と味わいながら、 笑いの絶えないひとときを過ごすことが出来ました。 目を瞠る様なアイデアと実行力で素晴らしいイベントを実現してくださいました WOW FACTORY代表の渡辺けんじ様、そして島野真由美様へ この場を借りまして心よりの御礼を申し上げます。 本当に有り難うございました・・・! ☆ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (会期中に出現した盆マルシェ・キャラクター? ![]() ![]() ◇ 『デジタルモンスター』や『たまごっち』などのキャラクターデザインで 知られるWOW FACTORY代表の渡辺けんじ氏が、 木彫り作家Sachi氏の人気の定番作品を風合いある額装標本風に DIYを施して仕上げた異色のコラボレーション作品も出品。 金属の帯を巻いた木彫作品は小さな磁石で取り外しが可能です。 タグとラベルは鳩山制作。 オンラインで販売するにあたり、会場展示時には黒い丸タグに結んでいた クラフトの細紐をリボンに仕様変更しました。 ![]() ◇ 新作のポストカードセット [A Tribute To Tarupho Inagaki & Y.Kamosawa.] 2018年に青山ビリケンギャラリーで開催された 『鴨沢祐仁とイナガキタルホの世界』への三つの出品作と 2006年刊行の『ユリイカ』(青土社)の臨時増刊号 「総特集=稲垣足穂」誌上に掲載されたイラスト作品 [カールの棲む街---プラキシノスコープ・シアター]を併せて 四枚組のポストカードセットに制作しました。 ![]() ◇ コミカライズ『羽ばたき』フランス語翻訳版刊行記念に 木彫作家Sachi氏に制作を依頼した 薔薇とスカルの毒薬瓶のキャディースプーン。 コミカライズ『羽ばたき』中で描いたU塔の中のジジの祭壇に 好んで並べられそうな”不吉な(益体もない)もの”をイメージして。 グラシン紙の小袋の中には呪(まじな)い薬を演出する 琥珀に見立てた「桃膠(タオジャオ)」と「苦水(クーシュイ)薔薇」を。 ![]() ◇ 盆マルシェ初日、お茶会の参加者様と盛り上がった 反故原稿切り抜きご購入ジャンケン大会がとても楽しかったので、 アフター盆マルシェ通販用にも気分だけでも味わっていただきたく 執筆当時の原稿切り抜きを探し出してオンライン販売用にもご用意しました。 ![]() ![]() ☆ 2022年の夏の思い出、最後は ゆらゆら幻想的なクラゲの画像でお別れ。 またお目に掛かれる日のありますように・・・! #
by 2spangle
| 2022-09-18 16:25
| イベント・展覧会
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() フランスの地より出版されることをとても嬉しく思います。 堀辰雄(1904~1953)は日本の近代文学を代表する小説家の一人ですが、 代表的な小説作品が広く知られる一方で きらめく宝石のような美しさを持つ小品たちは、その輝きに比べて注目度が低く 私自身も、とある方の導きがなければこのような魅力的な小品を 堀辰雄が手掛けていたということすら知る機会がなかったのではないかと思います。 数年前に月刊コミック誌から原作付きの連載執筆のオファーを受けた時、 同じ頃に前作の『寝台鳩舎』(2016年刊)のオリジナル原稿を展示する機会があり その会場へ、評論家でアンソロジストの長山靖生(Yasuo Nagayama)先生が ご自身が編纂された堀辰雄の初期ファンタジー傑作集を携えてお越し下さり、 直接先生よりそのご本を賜りました。『羽ばたき』はその本の表題作であり、 私は一読して物語の全てと、水晶のように精緻で澄み渡った文章に惹き込まれ 何としても自分の手でコミカライズ化したいという衝動に駆られました。 後日、長山先生は日本版の解説文の中で 「相応しい人に作品を届けたかったから」と、この時の事を表現して下さいましたが 密かに私は『寝台鳩舎』に登場する軍鳩たちからU塔の鳩たちへと、 長山先生を伝令の天使として遣わせてくれるよう秘密の伝達があったのではないか、と 考えています。 ところで、ジジとキキという名前を聞いて フランスの読者の方の中にも日本のスタジオ・ジブリ制作のアニメーション作品を 思い浮かべた方がおられるかもしれません。 宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督によるアニメ作品『魔女の宅急便』(1989年公開)の 原作である同名作品の作者、角野栄子(Eiko Kadono)は、 堀辰雄の『羽ばたき』に因(ちな)んでその名前をつけていたのではないか、と言われています。 同じく宮崎駿監督によるアニメ作品『風立ちぬ』(2013年公開)は 堀辰雄の同名小説に由来しており、実在した航空技術者の堀越二郎(JiroHorikoshi)の半生に 堀辰雄の実体験を元とした小説を重ね合わせた内容が主な題材となっています。 題名の「風立ちぬ」は堀辰雄の小説の題名からの引用ですが、 その大元(おおもと)は言うまでもなく、フランス人作家 ポール・ヴァレリーの詩 『海辺の墓地』の一節に由来するものです。 『羽ばたき』のコミカライズ化にあたっては、 私の独自の解釈によるアレンジを加えた箇所のある事も付記しておきたく思います。 特にラストの部分については、堀辰雄自身が1923年に日本の関東地方を襲った大震災で 母親を亡くしていることから、原作にはない場面を二人の魂への手向(たむ)けとして描きました。 また、原作小説はファンタジー小説らしく無国籍の印象がありますが、 舞台の作画にあたっては私の好きなアジェやドアノー、ブラッサイ等による写真、とりわけ パリの街角を撮った作品をイメージ上の大きな支柱としました。 最後に、コミカライズ「羽ばたき」のフランス版を刊行して下さいました NOEVE社のベルトラン氏、そして素晴らしい出版社との架け橋となってくださり、 本作の翻訳も手掛けてくださいました秋山りょう子様へ、心からの感謝を申し上げます。 この本を読んで下さったフランスの読者の皆様が、物語を気に入って下さることを心より願っています。 鳩山郁子 紀伊國屋書店の通販でもお求めいただくことが出来ます。 →LINK #
by 2spangle
| 2022-09-01 23:55
| 著作物/List of works
![]() いつでもご覧頂くことができます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 本当にありがとうございました。 そして、霧とリボン主宰のミストレス・ノール様へ 素晴らしいオマージュ展をご開催くださり、 心からの御礼を申し上げます。 またここから一層、皆様と共に高みへ向かって 羽ばたいてまいりたいと思います。 ◆ ◆ #
by 2spangle
| 2022-01-06 18:48
| イベント・展覧会
2021年12月29日(水)に開催されたBUCK-TICK 『魅世物小屋が暮れてから~SHOW AFTER DARK~in 日本武道館』 オフィシャルグッズへイラストを提供しました。 アートディレクション、グッズデザインは全て秋田和徳氏。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ☆
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by 2spangle
| 2021-12-26 01:31
| イラストお仕事
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